正直、最初は「東大王」という番組の売り方があまり好きではなく、それに関連するQuizKnockについても漠然と嫌悪感を抱いていましたが、実際にちゃんと見てみると「面白いし、考え方も好きなコンテンツだな」と印象が変わった話です。
思った以上にQuizKnockはしっかりと考えられたコンテンツを提供しており、番組や動画の作りもきちんとしています。子どもと一緒に楽しむのにも適しているので、いいすねー。
(もちろん、出演者に関しては好き嫌いが分かれる部分もありますが、それはあくまで個人の感情によるものですね。)
QuizKnockの良いところ
子どもと一緒に見られる安心感はありがたい
QuizKnockのYouTubeチャンネルは、主要な演者や内容に癖がなく、子どもと一緒に見ても安心です。
夜や早朝にテレビの大画面で見ていても、子どもが起きてきても気にせず視聴を続けられるぐらい。
これが他のYouTubeチャンネル、例えば「オモコロチャンネル」のような良い意味でのクソ動画だと、子どもと一緒には見られなかったりします
(オモコロには失礼かもしれませんが...ちなみに、ぼくはオモコロ好きですよ)。
QuizKnockは制作体制がしっかりしており、問題のある表現がほとんどない(学歴をフックに使っている点を除くと)ため、安心して視聴できるのが大きな利点ですね。
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↑自由研究シリーズとか、子どもと一緒に見て楽しいし参考になる動画も多い。
東大ブランドや高学歴の悪用感は当初の印象だけかな
どうしてもビジネス上「東大」「高学歴」といったバズワードを使っているのは気になるところですが、Quizknock側も本編はあまり学歴に依拠しないようにしているので、動画を視聴している中ではあまり気にならないですね。
伊沢拓司著「クイズ思考の解体」を読むと、
「クイズはマジックではなくロジックであるべき」「”東大”や”学歴”はマジック側の補強材料」「自分が"東大"や"開成"といったマジック側に加担していた、あるいは現在もそれを使ってしまっているのは事実」「ただし、Quizknockも東大王もロジックをきちんと見せるように作っている」
といった反省の内容の話が記載されていたりします。
そういった独白を踏まえると、その辺はビジネス上やむをえない程度には利用するものの、そこに依りすぎないように意識されているのだと思われます。
↑「クイズ思考の解体」は正直、めちゃ面白かったです。「東大王」のせいで「東大ブランド悪用の代表例」みたいな印象がありますが、Quizknockのコンテンツの出し方とか、書いた文章を読んでいるとすげぇ真面目ですよね、伊沢拓司さん。
ナイスガイの須貝と鶴崎の安定感よ
出演者の安定感もすごく良く、特にナイスガイの須貝と鶴崎の存在が大きいですね。
須貝は「クイズの修練を積んでいないけど知識はしっかりある賑やかし枠」として、良いバランスの立ち位置にあります。
ひねくれておらず、率直に好感が持てるキャラクターなのが素晴らしいですね。「ナイスガイの須貝」という自己紹介は本当にそのまんまそうなんよな。すごい。
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↑話術もあるし、毎回ちゃんと想像を少し超えてくるのもすごい。
人気講師かYouTuberか、というぐらい天職感ある。
また、鶴崎もいつまでも垢抜けない感じが魅力ですねー。伊沢や河村がなんとなく垢抜けた感がある中で、鶴崎の自然体な姿勢には安心感があります。
あまり垢抜けすぎると視聴者としても少し距離を感じてしまう部分はありますが、鶴崎の「一般男子の延長線上感」はほっとさせるものがありますね。
ちょっと気の抜けた雰囲気をまといつつも、クイズではピリッと閃いて解答するギャップも魅力的です。
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↑「東大王」の印象とは違って、愛されゆるキャラポジション。
視聴してて安心感がある。
「QuizKnockと学ぼう」の「好きになっちゃう放課後」は特によい
また、「QuizKnockと学ぼう」という教育よりのチャンネルはもっと評価されるべきですね。
特に「好きになっちゃう放課後」シリーズはすごく良いです。
学ぶ楽しさにフォーカスして、一定程度きちんと学習してきた面々がディスカッションすることで、「この科目のどんなところが面白いのか」「日常のどういったときに得た知識を意識するのか」といった言語化しづらい点を、上手く伝えています。
(まあ、ときどき上っ面を舐めるようなコメントがあったりもするのですが…。どちらかというと、やはり理系で院まで行った面々のディスカッションの方が面白いですね)
エンタメよりのメインチャンネルも面白いのですが、Quizknockと学ぼうはもっと見られていいコンテンツだと思いますし、充実して欲しいコンテンツですねー。
ビジネス的にはちょいキツイのかもしれないのですが。
大人の視聴に耐えられるコンテンツですし、学ぼう!という気持ちになるのが素晴らしいですよ。
60分間集中しよう動画もいいね
尚、「Quizknockと学ぼう」で単純にQuizknockの面々と60分間集中して何かを学習するだけの放送があります。
これもこれで、子どもの学習や自分の学習(あるいは仕事)と一緒に流すと、効果的だったりするので、結構いいすね。
やっぱり誰かがちゃんとやっている姿が目に入ると、それなりに真面目に集中してやらんなあかんな…という気持ちにさせられるんですよね…。
画面構成も、集中する時間のタイマーが真ん中に大きく表示されている状態なのはすごく良くて、子どもでもわかりやすいですわ。
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↑何かやるときにつけると思ったより効果的に作用する。
スマホにより集中力が散りがちな昨今、効果的。
QuizKnockの一部好きではないところ
一部演者はちょっと癖があるかな…
QuizKnock全体は非常に良いコンテンツですし、メインの演者はすごく印象が良いのですが、一部の演者には癖があり、どうしても肌に合わない部分はあるんですよね…。
まあ、だいたいの演者はそのうち許容できるのですが…。(ぼくがあまり好きではない演者についての個別言及はしませんが)
あと、構造的に仕方がないのですが、「この人が出てるなら見るかー」といったメンバーが卒業してしまうことが相応にあるのもネックではありますね。
林さんとか、山下さんとか、クイズが強くて嫌味のないメンバーがいなくなったのは痛手ですよね…。
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↑林さんとか、クイズの局所的な強さと抜け感がすごく良かったんですけどね。
ゲームコンテンツの浅さ
また、QuizKnockのゲームコンテンツにはやや浅さを感じることがあります。
知識やパズル技能を直接活かせたり、解説で活用できるゲームは良いのですが、そうでないゲームでやり込んでいないものを見せられると、学んでから来いよ!!!みたいな気持ちにさせられてしまいますね。
ultimate chicken horseとか良い例なのですが、やっぱある程度上手いプレイが見たいわけなので…やっぱ、多少やり込んでからにしてほしいところです。
among usとかはすごく良いんですけどねー。
(いずれにしても、子どもが見たがるから見ているだけなのでよいのですが)
全体
そんな感じで、ちょっと微妙なところはあるのですが、それはそれとして総合的にはめちゃ面白いし、チャンネルのスタンスも好きだなーと思いますね。
クオリティも十分高いですし、安心して企業や公的機関がコラボできるのはわかりますわ。
地上波の番組でクイズ系の番組も減ってきていますし、一方でYouTubeで毒にも薬にもならない(毒にはなってるかも…)ゲーム実況や動画を子どもが見るぐらいならずっと有益なコンテンツなので、Quizknockの存在はかなりありがたいですね。今後も頑張ってほしいところです。
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↑製作ドキュメンタリーを見ると、組織立って裏取りなどをしているのもわかる。
古い動画と比較すると、クオリティが向上しているのもよくわかりますわね。